Last Love
―――ウィーン…
閉館間近の図書館には、
あまり人の気配は
多くは感じられなかった。
ふと、ドォン、と
大きな音が聞こえた。
その音につられて外を見ると、
暗雲がたちこめていた。
雨はさほど激しく
降っているようにはないが、
大きな雷鳴だけが響いている。
きっと、遠くで
鳴っているのだろう。
早く返してから帰ろう、と
愛はカウンターへ向かった。
「……ぁ。」
カウンターにいたのは、
この間の彼だった。
しかし、向こうはきっと
私のことなんか
覚えてないに違いない、
そう思って、
声をかけるのはやめた。
「ありがとうございました。」
ほら、やっぱり。
少しがっかりしながら、
愛は帰ろうとした。
…が、さっきとは
うってかわって、
土砂降り、そして
雷の光と音も
威力を増していた。
「……どうしよう。」
おばけやゴキブリ、
そんな類のものは平気な
愛だったが、
雷だけはどうしても
苦手だった。
閉館間近の図書館には、
あまり人の気配は
多くは感じられなかった。
ふと、ドォン、と
大きな音が聞こえた。
その音につられて外を見ると、
暗雲がたちこめていた。
雨はさほど激しく
降っているようにはないが、
大きな雷鳴だけが響いている。
きっと、遠くで
鳴っているのだろう。
早く返してから帰ろう、と
愛はカウンターへ向かった。
「……ぁ。」
カウンターにいたのは、
この間の彼だった。
しかし、向こうはきっと
私のことなんか
覚えてないに違いない、
そう思って、
声をかけるのはやめた。
「ありがとうございました。」
ほら、やっぱり。
少しがっかりしながら、
愛は帰ろうとした。
…が、さっきとは
うってかわって、
土砂降り、そして
雷の光と音も
威力を増していた。
「……どうしよう。」
おばけやゴキブリ、
そんな類のものは平気な
愛だったが、
雷だけはどうしても
苦手だった。