Last Love
「プロジェクトの方、

 どうですか?」

『まぁ…現段階では

 なんともいえませんが、

 まずまずってとこです。』

仕事のことになると、

善彦はいつもより

熱くなる。

だけど、決して

感情的になったり、

それを外には出さず、

いつも通り

冷静に仕事を進める。

そんな大人な態度を

見習わなければ、と

愛は常々思っていた。

「当分、

 ゆっくり会う時間は

 ないんでしょうね。」

半ば諦めた様子で

愛はいった。

『僕も会いたいのは

 山々なんですが…。

 すみません。

 とりあえず、

 この仕事が片付くまでは。』

そりゃそうだ、と

愛は思った。

『こんなだと、

 愛さんに愛想を

 尽かされちゃいますかね。』

と、善彦は自嘲気味にいった。

「大丈夫です。

 私は善彦さんのこと、

 ……大好きですから。」

『はい。僕も、です。

 それを聞いて安心しました。

 では、おやすみなさい。』

今夜はよく眠れそうだ、と

愛は布団をかぶりなおした。
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