Last Love
―――――…

「だぁーかぁーらぁ、

 私の婚約者と

 イチャイチャすんなぁーって

 思うわけ、…ひっく。」

普段アルコールを

口にしない愛が、

珍しく自棄酒をしていた。

それほどあの光景は

彼女にストレスを

与えたのだった。

「なぁ、お嬢ちゃん。

 もう帰った方がいいぜ?」

居酒屋の店主は

愛の小柄な体格からして、

これ以上飲ませると

危険だと考えた。

「やぁ~、あたしまだ

 飲むぅ~っ!!」

その姿はまさに

駄々をこねる子供そのもので、

店主もどうすればいいのか

わからなかった。

「あれ…

 もしかして、永島さん?」

「へぇ?」

その声の主は、

図書館の彼…

櫻井悠だった。

「あんたこのコの

 知り合いか?」

「え、まぁ…

 知り合いといっちゃ、

 知り合いですけど…。」

愛はかなり酔っているため、

うつろな目で

櫻井を見つめた。
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