Last Love
「おはようございます…。」
二日酔いのせいか、
いつもよりテンションが低い愛。
それを見て、崎本美緒は
クスクスと笑っていた。
「もしかして、二日酔い?」
「うぅ、すいません…。」
「いや、別にいいんだけどね。
ダメよ、若いうちから
自棄酒なんてしちゃ。」
「はい、以後気をつけます…。」
崎本は、じゃあ、と
自分の仕事に戻っていった。
その後ろ姿を見て、
やっぱりカッコイイな、と
愛は思った。
そのカッコよさ、
美しさは、
到底付け焼き刃で
出せるものではなかった。
シングルマザーというくらいだ。
それなりに
色々なことを経験して、
ここまできたんだろう。
「……あ。」
なんとなく視線を感じて
振り向くと、
会議室で善彦と話していた
あの女性社員だった。
ペコリ、と愛は会釈をした。
相手も、それに応じてくれた。
最近、自分は
ないものねだりばかりだ、と
愛は反省した。
私は私でしかない。
善彦を信じるしかないのに。
……正直、前ほど明確に
”結婚”の2文字が
浮かばなくなっていた。
二日酔いのせいか、
いつもよりテンションが低い愛。
それを見て、崎本美緒は
クスクスと笑っていた。
「もしかして、二日酔い?」
「うぅ、すいません…。」
「いや、別にいいんだけどね。
ダメよ、若いうちから
自棄酒なんてしちゃ。」
「はい、以後気をつけます…。」
崎本は、じゃあ、と
自分の仕事に戻っていった。
その後ろ姿を見て、
やっぱりカッコイイな、と
愛は思った。
そのカッコよさ、
美しさは、
到底付け焼き刃で
出せるものではなかった。
シングルマザーというくらいだ。
それなりに
色々なことを経験して、
ここまできたんだろう。
「……あ。」
なんとなく視線を感じて
振り向くと、
会議室で善彦と話していた
あの女性社員だった。
ペコリ、と愛は会釈をした。
相手も、それに応じてくれた。
最近、自分は
ないものねだりばかりだ、と
愛は反省した。
私は私でしかない。
善彦を信じるしかないのに。
……正直、前ほど明確に
”結婚”の2文字が
浮かばなくなっていた。