Last Love
―――昼休み

「愛ちゃん、

 芹沢って人が呼んでる。」

芹沢なんて人

知り合いにいたっけ?と

振り返ると、

例の女性社員だった。

「なんですか?」

「少しお話があるんですけど。」

愛は不思議に思いながら、

言われるがままに

ついていった。




「別れる気、ないの?」

芹沢はさっきとは態度を変え、

冷たい口調で言い放った。

「どういう意味ですか。」

「だから、そのまんま。

 だっておかしくない?

 あんたより私の方が

 学歴高いし、見た目だって

 キレイでしょ。」

どこからその自信が湧いてくるんだ、

と愛は思った。

「まぁ~、でも、

 あんたみたいなのと

 婚約する副社長も副社長ね。

 女慣れ、してなさそうだし。」

愛はカチンときた。

自分のことに関しては

グッと我慢することはできる。

しかし、善彦のことを

悪くいわれて、

愛は全身が熱くなった。

―――パチンッ

気付いたときにはもう、

芹沢の頬を叩いていた。
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