Last Love
何がなんだか、

わけがわからなかった。

元々愛は、

恋愛のことで

ごちゃごちゃもめるのが、

あまり好きではない。

別に裏切られた、

というほどのことではないけど、

それでもやっぱり、

ショックだった。

『僕は愛さんの味方です。

 たとえ世界…いや、

 宇宙を敵に回しても、ね。』

婚約指輪を渡すときに、

善彦は愛にいったのだ。

歯が浮くような、

こんなクサいセリフを。

けれど、そこに彼の誠意が

見えたから、愛は

指輪を受け取った。

「ひどいよ…。」

味方だっていったのに。

どうしてこんなにも簡単に、

人は裏切るの?

もう嫌だ。

こんなに辛いなら、

会わないでいよう。

大学を出て、

こんなにトントン拍子で

ことが進むわけなかった。

私がバカだった…。

愛は誰にも見られないよう、

静かに涙をこぼした。
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