Last Love
「じゃあ、ここで結構です。」
「せっかくですから、
お家まで送りますよ。」
「大丈夫です。
寄りたい所があるので。」
失礼します、と彼女は
善彦の愛車から降り、
彼を見送った。
「……ふぅ。」
善彦と過ごす時間は、
もちろん楽しいのだが、
堅苦しい敬語のせいか、
いつも肩に力が入る。
「……ついた。」
少し歩くと、
灰色の大きな建物が
見えた。
県立の図書館だった。
愛は大学生時代、
よくこの図書館で
勉強をしていた。
図書館の中は
静まりかえっていて、
彼女がシャーペンを
動かす音すら
よく響いた。
―――ウィ-ン…
自動ドアを通り、
愛は小説のコーナーへと
足を向けた。
せっかく”学生”という
縛りから解放されたのだ。
できることなら、
しばらくは
勉強はしたくない、と
愛は思った。
「せっかくですから、
お家まで送りますよ。」
「大丈夫です。
寄りたい所があるので。」
失礼します、と彼女は
善彦の愛車から降り、
彼を見送った。
「……ふぅ。」
善彦と過ごす時間は、
もちろん楽しいのだが、
堅苦しい敬語のせいか、
いつも肩に力が入る。
「……ついた。」
少し歩くと、
灰色の大きな建物が
見えた。
県立の図書館だった。
愛は大学生時代、
よくこの図書館で
勉強をしていた。
図書館の中は
静まりかえっていて、
彼女がシャーペンを
動かす音すら
よく響いた。
―――ウィ-ン…
自動ドアを通り、
愛は小説のコーナーへと
足を向けた。
せっかく”学生”という
縛りから解放されたのだ。
できることなら、
しばらくは
勉強はしたくない、と
愛は思った。