Last Love
まぁこれも、

善彦と結婚する上での

ハンデの1つなのだろう。

仕方がない、と

愛は思った。

それと引き換えに、

自分は大きな幸福感と

将来への安心感を

与えられているのだから、と。

「愛ちゃん、これなんだけど、

 こことここ、逆だから。

 気をつけてね。」

「あ、すいません。」

先輩の崎本美緒だった。

彼女はシングルマザーで、

もうすぐ3歳をむかえる

男の子がいるらしい。

仕事に育児に、と

大変だろうに、

彼女は疲れを感じさせず、

いつもキレイで、

なおかつ優しかった。

愛は密かに

崎本美緒に憧れていた。

女が憧れる

”カッコイイ女”。

崎本美緒は、

まさにそれだった。
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