幼なじみな僕ら。
爽は昔は、すっごく力が弱かった。
中学生の頃は、握力はあたしのほうが勝ってたし。
なんだか急に、知らない爽を見てしまったようで、どきりとする。
爽はあたしがそんなことを考えてるなんて思っても見ないんだろう。
そのまま、あたしの腕を引っ張り続ける。
不意に、爽が誰かとぶつかった。
「って!!」
大きい相手にぶつかったのか。
爽が少しだけ跳ね返った。
あたしはつられて、地面に転ぶ。
「すみません!!大丈夫?!」