幼なじみな僕ら。
あの後、爽は5分くらい意識をなくした。
絶対に先生を呼ぶな。
そう言われていたあたしは、どうすればいいか分からなくて。
とりあえずその場でずっと爽の名前を呼んでいた。
爽の傷は、思ったよりも軽傷だった。
口をきったのと、あとは顔が腫れたくらい。
担任には、階段で転んだと嘘をつく、って言ってた。
「・・・そう」
先輩の声は、朝の風よりも冷たかった。
あたしの知らない、先輩。
体がゾクリとする。