幼なじみな僕ら。
「楽しいよ」
俺は即答した。
野球を始めてまだ1年になるかならないか位だったけど。
俺にとって野球はその時から、
俺の中心だった。
ボールをパスするのが楽しかった。
ボールがバットに当たる感触が好きだった。
全速力でホームまで走りぬける、
あの爽快感が好きだった。
それを言葉にしたくて。
実羽に、伝えたくて。
だけど、あの時の俺には、
それをどう伝えたらいいのか分からなくて。
ただ、そう答えたのを覚えてる。