幼なじみな僕ら。










俺は、ゆっくりと亜子の方に向き直る。






亜子は、俺を見ていた。


布団の中から左手を取り出す。


そしてそっと、亜子の頬に触れた。






今度は亜子も、俺の手をなぎ払ったりはしなかった。






触れた指から、ひんやりとした頬の感覚が伝わってくる。










こんな風にまた、亜子と喋れるとは思わなかった。


ジンワリとした、温かな感情が、
俺の胸から溢れ出す。






今まで、感じたことのない、感覚。








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