幼なじみな僕ら。













そこに、先輩の姿はなかった。



そこに広がるのは、無人の部屋。






カーテンだけが風に吹かれて揺れていた。



ふと、勉強机に目を移す。


そこには・・・一枚の紙。





風で飛ばないよう、かえるのペン立てで押さえている。






あたしはゆっくりと歩み寄って・・・。






おぼんを机の上においた。

それと同時に、左手で紙を取る。










“世話になった。ありがとな”








紙の上には黒くて綺麗な字で、そう書かれてあった。




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