幼なじみな僕ら。
「待ってろよ、すぐ行くから!!」
そう言うと爽は、坂をダッシュで駆け上がってきた。
細い体で糸も簡単にすいすいと駆け上がってくる。
いつもは憎たらしかったその姿。
今は見ているだけで、どこか苦しい。
「ひっさびさだよなー、一緒に帰んの」
爽は笑顔を崩さずに言った。
あたしは俯く。
俯いて小さく頷く。
「色々・・・あったかんね」
学校キャンプのときの、実羽の声を思いだす。
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