幼なじみな僕ら。
「そっか」
あたしたちは黙って、歩いていく。
オレンジ色の夕日だけが、あたしたちを見詰めていた。
「・・・なぁ、亜子」
あたしは、爽を見た。
爽に“亜子”って呼ばれるのは、久しぶりだった。
いつもは、あっこ、なのに。
そんな小さな違いが、あたしの胸をくすぐる。
「・・・そんな顔、すんなよ」
「え??」
あたしは爽を見た。
爽は少し気まずそうに、心配そうに、
あたしを見下ろしている。