幼なじみな僕ら。
「お前・・・何してんだよ。
バッカじゃねぇの」
聞き慣れた声が、した。
俺は振り返る。
そこには、見慣れた姿。
「うるせぇな、新」
口の中が、血の味がした。
舐めた時のじゃない。
多分、さっき一度。
不覚にも殴られた時、口の中を切ったんだろう。
ぺっと、唾と一緒に吐き出す。
肩で息をしたまま、新を見た。
真夏だというのに、
奴は長袖のねずみ色のパーカーを羽織っていた。
だぼだぼのジーパンを履いて。
ゆっくりとこちらに近づいてくる。