幼なじみな僕ら。












そう呟いたけれど。



俺の目は、焦点がうまく定まっていなかった。

ぐるぐると、あちこちを回る。






「先輩、亜子の気持ち、知ってますよね。

亜子は、先輩のことが好きです。

でも・・・先輩は亜子を裏切った。

亜子の気持ちは、揺れてる。





今なら・・・オレにだって勝算は、ある」









・・・勝算って言い方、
あんまり良くはないと思うんですけど。


宇都宮が、ぼそりと呟いた。




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