幼なじみな僕ら。
夏休みが始まっていた。
でも、オレは残念ながらクラスの美化委員で。
週に一度、当番で学校に来なければいけない。
花の、水遣りだ。
「お前、闘ったもんな」
右手に持った、緑のホースから。
水が溢れ出している。
その口を指で指で少し潰して。
シャワーのように、花に水をやる。
シャワーから出た水に、ぼんやりと虹が見えた。
「あれが、オレなりの・・・精一杯の愛情だから」
「知ってるよ」
ハルが呟いて。
花壇に腰掛けた。
学校の裏にあるこの花壇は、結構広い。
夏だからだろう。
色とりどりの美しい花々が、水を気持ちよさそうに浴びていた。