恐怖話




部屋を出て廊下を少し進んだところに真っ白な髪をしたおじさんがボーッと窓の外を眺めていました。





「あのォ…すいません...猫..こちらにきませんでしたか?真っ黒な猫なんですけど....」






おじさんはゆっくり私を見ると



「猫がいかがしましたか?」






「私たちの緑の間に居たんです..迷い込んでるんじゃないかって」





おじさんはクスッと笑うと



「迷い込んでるわけじゃないんですよ」




おじさんは口に手を当てながら笑い続けました。





「少し、昔話をいたしましょう..この旅館ができる前の遠い昔のお話をね...」






.
< 423 / 453 >

この作品をシェア

pagetop