つらら飴
3章 ごねんねダルマ
 小雪舞ってる午後二時半。
 天気回復陽が射す西日。
 雪が舞うのは風のせい。
 雪雲私を見放した。
 青空私に何か用?
 晴々お空が私を見下す。
 同情するなら雪雲呼んで。
 一緒に淀んで冷え切るわ。
 そして涙を凍らせて。
 二度と涙を流させないで。
 なんて願いは二十歳まで。
 今の私は二十四。
 矛先酒と八つ当たり。
 
 ベタ雪絶好達磨日和。
 帽子被って外に出る。
 近所の神社で達磨を作る。
 人気ないのを確認私。
 達磨殴って心晴れやか。
 蹴って壊してすっとする。
 余韻そのまま立ち尽くす。
 そして再び達磨を作る。
 達磨殴って心爽やか。
 蹴って壊してすっとする。
 余韻そのまま立ち尽くす。
 そして三度と達磨を作る。
 達磨の前で膝を付く。
 頭を下げて息荒れる。
 鼻孔の空気が冷たく刺さる。
 毛糸の手袋濡れていた。
 
 視線気付いた後頭部。
 小さく瞼を起き上げる。
 達磨のの凹凸目鼻に見えた。
 そして私を見下ろした。
 笑ってるの?
 泣いてるの?
 許してくれる?
 酷い事してごめんね。

 
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