コピー
ツインテールの可愛い小柄な少女を眺める。
この容姿でこんなことを語るとは…
「話を元に戻すけど、あなたがコピーだと知ってるのは誰がいるの?」
そう言えば、校長のことを話してない。
「山口先生、校長、小川さん、あと、製作者である近藤拓郎くらいかな。
校長についてもうちょっと詳しく話すと、校長には『近藤拓郎』から、メールが届いていた。
近藤拓郎が僕、コピーを作ったって言う。
で、『近藤拓郎』に成り済ますのを手伝ってもらうことになった。」
ふ~ん、と小川沙紀は呟き、会話が一旦終わった。
暫くして、
「あ~あ、拓郎くん、どうしていなくなっちゃったのかな~」
と漏らした。
やはり僕は彼の代わりにはなれないのだな、と僕が浮かない表情をすると、小川沙紀はそれに気付いたようで、
「わわわ、
ご、ごめんね!」
「謝る必要なんてないよ。」
「で、でも、傷つけちゃったみたいだし。」
「大丈夫。
傷ついてないから。」
僕がそう言い放つと、会話は途切れた。
会話をやめ、ぼうっとしていると、自分が空腹だということに気付いた。
部屋に来たとき食事を作る道具だろうと予測した機械に近寄り、
「これは、どうやって使うの?」
機械を指差す。
小川沙紀はベッドから立ち上がって、僕がいるところまで、移動した。
「何がいい?」
「何でもいいよ。
適当に選んで、好き嫌いとかないし。」
小川沙紀は画面を見つめて、考えて
「今日は私もここで食べてもいいかな。」
え?
「お腹減ってるし、男子寮と女子寮は結構離れてるから、帰るまで保たないかもなぁ。」
まあ、困ることもないしな。
「ああ、分かった。」
「じゃあ、一緒のメニューにするね。
オススメがあるんだ。」
パネルまで指を伸ばし、
「殆ど、機械が指示をだしてくれるんだけど、」
小川沙紀は機械に付いているパネルを操作した。
小さな手が可愛らしく動く。