伝えたい～心～

千里の車に乗り込んだ。

シートベルトをしたら、

「てか、今日何時に予約はいってるんだ？」

と千里が聞いてきた。

「あー、１０時３０分。」

「じゃあまだ余裕だな。」

「うん。」

千里は車を走らせた。

千里と私は相性がいい。

姉と優也は相性がいい。

だから私たち兄弟は２つの性格に分かれている。

結構姉と弟は派手なほうだけど、私と兄は何に関しても無関心。

だからほとんど会話もない。

そのほうが楽だ。

「美蘭。」

「へっ？」

あまり話さない千里がいきなりしゃべり出すからびっくりしてしまった。

「学校に勝也がいたそうだな。」

「なんで知ってんの？」

「そりゃ、優衣華が話したに決まってるだろ？」

「あー、お姉ちゃんか・・・」

「どうだった？久々に会った勝也は。」

「別に。」

「はは。」

「何よ。」

「相変わらずだな。美蘭は。」

「そう？」

「ああ。何かあると仲間と遊んで。」

「なんでそこまで知ってんのよ～」

「なんか車に乗ってたら見かけた。」

「そう。今日はちゃんと学校行くわよ。」

「はいはい。親父も知ってんじゃね？」

「さ～。私には自由に生きろって言うから。」

「まあな。勝也と仲良くしろよ。」

「千里・・・。私、勝也が何考えてるか分かんない。」

「そりゃ他人だからな・・・。」

「そうだけど・・・。」

「美蘭、きっと勝也も何か心に秘めた思いがあるんだよ。」

「そうだよね。幼馴染だからって全て知ってるわけじゃないもん。」

「ああ。そうだ、頑張れよ。美蘭。」

「うん。」