加納欄のホワイトデー シリーズ9
そう言うと、大山先輩は、あたしの両肩の壁に手をついた。

ドキン!!


な、なに?真顔で(>_<)


何が出てくるのぉ。


去年は、蛙のマスコットだった……。


そう、思ってる間に、大山先輩の唇が、あたしの唇に触れた。


え?


え(-.-)??


え~(@_@)???


あたしは、目を見開いたまま、大山先輩とキスをしていた。

そして、大山先輩の唇が、あたしから一端離れた。

あたしは、心臓が、狂ったように動いてる感じがした。

頭の中が、整理できていないような。

呆然と大山先輩を見ていると、大山先輩は、またあたしにキスをしようと、顔を近づけた。

もう1度唇が触れ、あたしは、我にかえった。

「イヤ!」

あたしは、大山先輩の肩を、グイッと押しやった。

大山先輩は、驚いていた。

そして、バツの悪そうな顔をした。

「イヤ!なんで……?」

あたしは、小刻みに震えながら、聞いた。

「……悪い」

大山先輩が、謝った。

「欄」

大山先輩が、あたしに触れようとした。

「イヤァ!」

あたしは、思惑大山先輩の手を払っていた。

あたしの頭の中に、孔明師範の言葉がよみがえって聞こえた。


”中国へ行くか、お礼をするか、欄が、選んでください。お礼は、簡単ですよ。抵抗しないで、良い子に寝てればいいだけですよ。昔みたいにね。どちらがいいですか?”


あたしは、肩で息をした。

呼吸困難になりそうだった。

あたしは、大山先輩を見た。

大山先輩もあたしを見た。

「欄」

大山先輩が、指先を伸ばし、あたしの頬に触れようとした。

あたしは、ビクッとし、体をすくめた。

大山先輩は、指を離した。

「欄、どうしたんだ」

「……どうして……」

「え?」

「私の気持ちは……お構い無しなの?自分がよければ……私の気持ちは、関係ないの……?」

「欄」

「触らないでっ」

あたしは、泣いていた。

「触らないで……もぅ、イヤ。孔明師範も……大山先輩も……みんな……」


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