加納欄のホワイトデー シリーズ9
「欄、しっかりしろ!孔明師範って、なんだよ。アイツと一緒にすんなよ!」

あたしは、泣きながら首を左右にふった。

「もぅ、いいです。私……お、大山先輩……私、大山先輩のこと……でも、もぉ……」

「何言ってるんだよ」

「私のこと、好きでもないのに……なんで、キスなんて……沢山遊んでるうちの1人なら、しないでください!」

「欄!」

「あたしは……あたしは……」

頭の中が、グチャグチャだった。

孔明師範のことと、大山先輩のことと。

そして、あたしがその場で出した結論は。

「私は、大山先輩なんて、好きじゃない!大嫌いっ!!みんな、大嫌い!」

と、言って逃げ出した。

まるで小さな子供が、駄々をこねたように。

あたしの心が、逃げろと叫んでいた。


―おわり―


< 13 / 14 >

この作品をシェア

pagetop