加納欄のホワイトデー シリーズ9
「や、めな、さいよ。あんた、達、警、察に、つかま、るわよ」

「うるせぇ!」

男が、また殴った。

「はやく、やっちまえって!」

「うるせぇな、急かすなよ!」

あたしは、最後の力を振り絞って、男の腕から逃れようと、立とうとしたが、目眩が起きて、自分から、男達の腕の中に崩れていってしまった。

もぅ、反撃する体力はなかった。

男達は、ピューっと口笛を吹き。

「いい眺め」

と、笑っていた。

「お前、彼女いんのに、抱くの?最低だな」

「ばぁか、それはそれ、これはこれ。こいつは、薬の代金だからな、仕方なくヤッテやるんだよ」

「とかいいながら、お前、気に入ってんじゃねぇの?」

「俺の好み。お前、しなくてもいいぜ」

「ばぁか、俺が先に、目つけたんだからな、俺が先だよ」

男達の笑い声が、遠くの方で聞こえていた。

「たっぷり楽しませてもらうか。おい!なんだよ!てめぇっ!ふざけんなっ!うわぁっっっ!!」

男達の、笑い声が、一変したのが、わかった。


目を開けなきゃ(>_<)


大山……先輩が……来……。


でも、あたしの体は、意識とは正反対に、全く動けなかった。

遠のく意識の中で、あたしの体が、フワッと浮いた感覚にとらわれ、あたしの意識がなくなった。




気が付いた時は、どこかの部屋だった。

「ここ……」

起きたくても、起きれなかった。

「気が付きましたか?」

聞き覚えのある声に、あたしの体が氷ついた。

「まだ寝てなさい。熱が下がってないのですから」

孔明師範が、寝ている隣に座った。

あたしは、思惑身構えた。

「体調の悪い時に、襲うなんてこと、考えてませんよ。安心して寝ていなさい」

孔明師範が、あたしの前髪をさわりながら言った。

触んないでよ(>_<)

「……(中国へ)帰ってなかったんですか?」

あたしは、聞いた。

「仕事もありますからね。欄と遊んでばかりもいられないんですよ」


遊んでって……来なくていいのに来るのは、そっちでしょ!

「……じゃあ、2度と会いませんから。帰ります」

あたしは、無表情で答えると、起きようとした。


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