続きは、社長室で。
契機の、始まり。
殆ど一睡も出来ぬまま、早朝から行動を始めた。
いつもより入念な、身支度をするため。
メイクは、華やかな仕上がりにして。
ヘアも特別に、緩い巻き髪を下ろしたまま。
いつもの地味な、グレーのスーツではなくて。
ライトベージュのスカートスタイルにした。
だって今日で、最後かもしれない。
貴方のためにお洒落して、着飾れるのは・・・
「っ…やだっ、メイクが剥げちゃう・・・」
自嘲しつつも、涙はずっと止められなくて。
同時に、悲しみだけが込み上げる。
「…っ・・・うっ・・」
別離なんて、したくない。
貴方の傍で、ずっと生きていたい。
でも、それは叶わナイの・・・
夢なんて、いつかは醒めるモノ。
「・・っく・・・」
いつまでも泣いてたら、ダメなのに。
決断をしたのは、他でもない自分だから。