続きは、社長室で。


大きくて、弾力のある、キングベッド。


ギシッと響く、スプリング音さえも鼓動を速めていく。



ギシッ――

覆い被さるように、拓海が上へと重なって来た。


私の視界は、彼しか捉えるコトが出来なくて。



すべてが拓海で、埋めつくされていく・・・




「蘭・・・」


「ッ――」


艶めいた表情で呼ばれてしまうと、全身が沸騰するようで。


もっと、もっと、貴方に触れたくなる。


その衝動が、止められない・・・



「チュッ・・・」


拓海の両頬に手を置くと、そっと触れるだけのキスをした。



「っ・・・」


想像以上にリップ音が響いてしまい、恥ずかしくて。


キョリを戻すとすぐに、視線を逸らしてしまう。




今までの私なら絶対に、あり得ない行動――



抗うコトも、求めるコトも、何もかも・・・


すべてに諦めて、ただ受け入れるだけで。



貴方を求めていても、いつもグッと堪えていたから。






< 162 / 266 >

この作品をシェア

pagetop