続きは、社長室で。


「ンッ・・・」


重ねる唇から洩れてしまう、恥ずかしさと憂いを帯びた声。



舐めるように、味わうように、重ねられて・・・


激しさとの強弱に、すぐに身体の力が抜けていく。



温かくて、甘くて、焦れったくて。


もっと…と、求めてしまう自分がいる。



「っふ・・・ンンッ・・」


今日はいつもより、キスの時間が長い・・・?


特別を意識しすぎているせいだよね?



絡み合う舌の熱さが、脳内を痺れさせていて。


ホワイトムスクの香りに、どんどん侵されていく・・・




「っ…、ァ・・ンッ・・」


スッと唇が離れた途端、首筋に甘い痛みを覚えた。



プチン――

あらゆるボタンが外されて、身体が露わにされていく。




カッチリとした、グレーのスーツ。


フルアップで、崩れ知らずのヘアスタイル。


キモチを押し込めていた、パンドラの鍵。




それらすべてが、拓海の手によって解かれる――





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