続きは、社長室で。
「ッ――!」
標本の蝶の如く、シーツをギュッと握り締める私。
「蘭・・・」
「ンッ・・・」
扇情的な眼差しも、体温を上昇させる材料なのに・・・
すべてを知り尽くしている彼に、ただ翻弄されるだけ。
首筋から徐々に辿っていく、彼のキスとしなやかな指先。
「っあ・・・」
異空間で響くのは、喘ぎ声と優しいリップ音。
激しさの中で、快楽の波が押し寄せては引いていく。
何度も駆け巡るその往来に、感情ごと攫われそうで。
「ッ…、ァ・・やっ…」
攻撃と優しさの狭間で、受け止めるコトしか出来ない私。
それどころか、幾度となく意識を失いそうだったけれど。
迸る(ほとばしる)感情と、雫へ変わる汗が、気を保たせていた。
キュッと絡めた指先は、私たちを繋ぐ証・・・
「ッ――!」
そうしてやっと、拓海との繋がりを持てたトキ。
幸せすぎて、頬を涙がツーと伝わっていった。
すべてを受け入れて貰えた、瞬間だから――