続きは、社長室で。
拓海の未来にキズをつけると、重々承知している。
だからこそ、“真実”を口にするコトが出来ない。
ソレを告げてしまえば、歯車が回り始めてしまうから――
それでも攫うかのような力強い腕には、身を預けてしまう。
届いた想いを、離したくなんてナイ・・・
余韻が身体を火照らせつつも、相反する想いが交錯していて。
何も策を見い出せず、堂々巡りを重ねるだけの私。
どうすれば良いのか、分からないよ――
「今日は随分、乱れていたな…?」
「っ・・・」
髪を梳かすように撫でられると、語尾を強調した声が届く。
何も切り替えせない私は、コドモと大人を彷徨っているよう。
どちらにしろ、清涼さに潜在する妖しい声色には敵わない。
「ッ…、だって・・・」
自覚があるほど、カァッと紅潮する頬。
恥ずかしさから、つい彼の胸へと顔を埋めてしまう。
大好きな人に求められたら、その要求以上に応えたくて。
揺るがないキモチを、さらに伝えたくて堪らない。
これが愛しいという感情なのだと導かれていく。
最大の“隠蔽”(いんぺい)をしながらも――