続きは、社長室で。
“昔から変わらない”
窮地のトキに限って、拓海は幼馴染みを匂わせる。
今まではコマ遣いとしか、捉えてなかったクセに・・・
彼は瞳の奥を射抜くほどの眼力で、一点を見据えていて。
まさにスナイパーの如く、捉えて離さない――
そのため私は、マリオットのように静止していた。
ひたすら無言で、彼の動向を窺うだけの状態が続く。
眼前の冷視線に、打ちのめされそうになりながらも・・・
「っ・・・」
不安に一気に覆われて、胸がグッと締めつけられた。
行き着く道を知りながら、貴方には言えナイよ。
虚ろ気にブラウンの瞳を見ていると、ゆっくりと瞼が閉じられた。
何気ナイ所作がまた、心を酷く凍てつかせていく。
そんなコトなど知る由もない長い瞬きを終えた瞳と、再び視線が交わった。
同時に両肩に置かれた手にも、ほんの少し力が籠められていて。
どこまで貴方は、私を追い詰めるの・・・?
「いい加減…、隠している物を吐け――
俺が今まで、何の為に聞かないでいたと思う?」
「っ・・・」
沈黙のあとの言葉が、すべての歯車を狂わすのに・・・