続きは、社長室で。


行為のトキ、“禁句”以外を曝け出していた私。


どうしてか拓海も、その琴線に触れなかったけれど。


敢えて聞かなかったという、理由があるの?




「オマエが隠す時は、いつも俺が関係していた。

・・・そうだったよな?」


「ッ――!」

思わず、ゴクンと喉を鳴らしてしまう。



「どうして“また”言わない?

ずっと黙っていようが、解決などしないだろ?」

間髪入れずに重ねられた、苦しみを漂わす声。


「そっ…、それは――」

状況について行けず、内心はパニック寸前で。



「何も心配するなと、俺は言ったよな?」


「っ…、うん・・・」

ゆっくり頷くと、遅れて言葉を返した。



私の反応に対して、別段、顔色の変化は見られない。


それなのに何故か、心を締めつけられていく。



「相手を思えば、言えない事もある。

だが…、言わない事ほど相手を陥れる物もない。

違うか・・・?」


「・・・・」

一定のトーンで齎された言葉に、言葉を失ってしまう。


私の瞳を通り越して、回顧するような遠い眼差しを向けられた。




この眼差しは、アノ頃を思い起こすのに・・・




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