続きは、社長室で。
秘書の、始まり。
すべては私のこの…、佐々木という名前のせい。
そして、東条の名を持つ社長のせい。
ううん…、ちがう・・・
私のキモチが、すべての原因だというのに――
「おはようございます。」
「おはようございます、社長」
「おはようございます――」
すれ違う人々に対して、にこやかで丁寧に挨拶する社長。
彼の挨拶には打算とか惰性は、全く感じられナイ。
キッチリ応えて返す優しさが、寧ろ伝わってくるほどで。
この分け隔てのナイ所が、ヒトを惹きつけるポイント。
ある意味では、最強の武器だと思う・・・
そんな彼の後ろを俯き加減で、ひたすら歩く私。
今日もまた落ち着ける場所のナイ、一日の始まり。
ここからが本当の…、受難の始まりとなるのだから――