続きは、社長室で。


ますます言葉を失ってしまい、俯くだけで精一杯の私。



どうしようとも、本妻である彼女に敵う手立てはナイけれど。


何も発しないコトが、ささやかな抗いなのかもしれない。



せめて拓海への想いを、裂かれる事のナイように・・・



頑丈なハズのパンドラの箱ごと、キモチを葬り去られたくナイ。


震える手をギュッと握り締め、ひたすら視線に耐えていた。




「蘭さんって、随分と大人しいのねぇ。

それも拓海の調教の賜物かしら…?」



え・・・・?


言葉に驚かされて、思わず顔を上げてしまう私。


先ほど以上の笑みを浮かべる佳奈子さんと、視線が合致した。



調教って、何で――?



「あら…、どうして知ってるのかしらって?

それは勿論、拓海から聞いて知っているのよ。

ストレスの捌け口くらい、彼にも必要でしょうし…」


「っ・・・」


拓海が秘密の部屋での行為を、彼女に告げていたなんて。



ウソでしょう・・・?



私を容易く一蹴させる、あまりに惨い真実を告げられて。


神経すべてが、ズタズタに裂かれたような感覚に陥った。




拓海…、どうして…――




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