続きは、社長室で。


静寂を切り裂いていく、あまりにハッキリとした断言をされて。


私の台詞はまるで、エチュードと化してしまったようだ。




「っ・・・っ・・」


言葉を受けながら、何も言い返せなくなっていた。



零れてくるのは頬をツーと伝い落ちる、苦しみの涙で。


生み出されていくのは、心の灯が潰える暗幕だけだから。



決して、希望など持てる立場ではナイもの――





「何度も言っただろ?

安心して俺に、すべてを任せておけと――」


「っ・・・」


フッと一笑すると、片手で私を支えて、頭を撫で始めた拓海。


サーッと打ち寄せる波の如く、感情がすぐに引き戻される。




安心なんてダメでしょう・・・?



それに貴方は、何を信じているというの・・・?




引き出された一端が、燻ぶり掛けた心を留めていく。


相俟って、触れられた箇所は再び熱を帯び始めてしまう。



すると髪に触れていた手が、私の頬をそっと撫でた。




「いいか…、3日後に全てが決まる――

それまで絶対に待ってろ・・・」


芯の通ったブラウンの瞳が、ジッと捉えたままで・・・




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