続きは、社長室で。
交わった視線を逸らせるワケもなく、虚ろ気に見続けていた。
生温い風が頬を掠める不快感が、涙の筋跡を乾かしていく中。
突然の言葉に、ただ眼を見開かせるコトに精一杯で。
この身を支えてくれる力強い腕に、いつしか身体を預けていた・・・
「3日だ…、いいな――?」
「どういうコト…?」
念押しされた事で、何処か冷静さを取り戻していて。
言葉足らずの拓海に、どうしても縋るように尋ねてしまう。
頬を弄る手のしなやかさだけが、高ぶりを忘れさせずに・・・
「それなら…、オマエは誰のモノ?」
「っ――」
そんな私の望みなど叶えられずに、逆に投げ掛けられた問い。
先ほどよりも何処か優しい声色に、期待が増してしまう。
秘密の部屋で幾度となく感じたモノが、すぐに蘇っていく。
「私は・・・っ――」
スッと酸素を吸い込んだあと、勢い任せに言おうとした。
だけれど・・・言えナイ。
私は妾の存在であって、柵が多すぎて雁字搦めの立場だもの。
声が掠れてしまったように、言葉は浮かんで来なかった。