続きは、社長室で。


貴方にキチンと、すべての想いを伝えたいのに。



ホワイトムスクの香りに縋って、ギュッと抱きたいのに。



愛しているって、全身全霊で表現出来ればいいのに。




何も言葉に出来ないなんて、あまりに愚弄すぎる・・・





「ソレと一緒だ――」



「・・・え?」


自嘲する拓海を見上げるように空を仰いだ。


だけれど、すぐにギュッと引き寄せられてしまって。




「とにかく…、もう何も心配するな――

それまで待っていろ…、いいな?」


「っ・・・」


そう告げた拓海の表情は、何も読み取れなかった・・・






だけれど、もう一度信じるコトは許されますか?




貴方をひたすらに、信じ抜いても良いですか?




これが最後だとしても、それも運命だと諦めます。



先ほどの問い掛けに、答えが出せるかは判らない。




それでも私は、拓海の瞳に突き動かされたの――




< 232 / 266 >

この作品をシェア

pagetop