続きは、社長室で。
真実の、始まり。
「3日後にすべてが終わるというのは…。
後藤社長の事だったのですね・・・」
「あぁ…、まぁな――」
「本当に…、ありがとうございました…」
運転中の拓海の横顔を見つつ、お礼を伝えた私。
TS商事をあとにすると、再びフェラーリを発車させた拓海。
颯爽と走り抜ける車のせいか、それとも柵が取り除かれたせいか。
私の身体は、ふわふわと宙に浮いているような気分だった。
まだ問題が山積したままだというのに・・・
正直に言えば、後味の悪い悲しい事態にショックは隠せない。
拓海が側近に裏切られたという事実は、決して消えないし。
私も後藤社長に脅迫されたという恐怖は、一生拭えないと思う。
それでも拓海が助けてくれたという、この現実を忘れたくナイ。
“貴方らしくいて欲しい”と言っていた母の言葉のように。
これからは、自分を持って生きなければダメだと思えたの。