続きは、社長室で。
これ以上、何も望んではダメ・・・
グイッ――
すると自由だった左腕を掴まれて、そのまま逆方向へと引き寄せられた。
「しゃ、社長・・・」
「もう社長とは呼ばなくて良い――」
「ッ…、あの・・・」
尋ね返すのもおこがましいと憚られる中で、歩き始めた彼。
グイグイと手を引かれて、ヒール音がカツカツと鳴り響く。
向日葵が咲き誇る庭園を過ぎ行くと、ようやく拓海はピタリと静止した。
だけれど私は、身体が拒否するように萎縮してしまう。
そうして立ち止まった先は、東条家の玄関――
貴方と離れたトキ以来、足を踏み入れてイナイ地・・・
「あの…、お屋敷には――」
「オマエも来るんだ、話がある」
「っ・・・」
そう言われてしまうと、切り返しなど出来なくて。
ただ黙ってついて行くコトしか、道はナイと悟ったの。