続きは、社長室で。
傍にいなければ、楽なのに・・・
近づけなければ、楽なのに・・・
ピンポン――
一息ついて、玄関のチャイムを鳴らした。
「はい――?」
この時間は、すぐに通話が繋がってくれる。
・・・まるで、私の到着を待つかのように。
「蘭です、おはようございます。
・・・あの、社長は――?」
「蘭ちゃん、おはよう!
ごめんなさいね、もうすぐ拓海は行くからね?」
この通話の主は、この屋敷の奥様。
とても美人なうえ、物腰が柔らかくて。
私でさえも、丁寧に扱ってくれる素敵な女性。
「はい、かしこまりました…」
通話を終えると、玄関が自動で開かれた。
「フゥ・・・」
一息つくことで、グッと力を注入させる私。
迎えに来たのは、幼馴染みなのに・・・