続きは、社長室で。


どこまでも、不謹慎すぎる心に。


ほとほと自分でも、嫌気がさしてくる・・・




すると・・・・




「東条さん、そちらの女性は……?」


後藤社長の瞳で、ジッと捉えられた。



その鋭い視線に、思わずドキッとしてしまう。




「…あぁ、秘書の佐々木です。」


仕事モードの、穏やかな口調で話しつつ。


嘘吐きな言葉と笑顔で、私を見てくる。




“秘書”という、現実へと呼び起こす言葉に。


私の心は、また抉られるけれど。



・・・仕事モードに、切り替えなきゃ。



後藤社長の近くへ、歩み寄った。



「後藤社長、初めてお目にかかります。

秘書の佐々木と申します、よろしくお願い致します。」


平身低頭で挨拶をしてから、後藤社長を見上げた。



「ハハ、可愛い秘書さんだね。

今日は気負わずに、一緒に楽しんでくれると嬉しいな?」


「はい、ありがとうございます。」


優しい言葉と気遣いに、ホッとしてしまう。







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