続きは、社長室で。
それなのに・・・・
「それは、君の事が好きだからだ!」
「・・っ・・!」
強い口調に、また言葉を失ってしまう。
ヤメテ・・・
スキなんて言葉、誰からも聞きたくなかった。
拓海から与えられないと知った、あの日から――
そう言いたくても、身体は自由を奪われたようで。
嗚咽が言葉を詰まらせて、声が出なかった。
「好きな子の未来が奪われていて。
誰が、黙って見ていられると思う?」
チガウ・・・私は・・・
宥めるような声が、絶望へと導いていく。
頭を一生懸命振ろうが、所詮は届くわけのナイ抵抗で。
「東条が、君への態度を豹変させたのは・・・
妾(めかけ)の立場を弁えさせる為だ。」
私の願いも、希望も断ち切られていく・・・
十数年、一緒に育ってきた時間も。
この数分間が、すべてを色褪せさせた――