続きは、社長室で。
紅涙の、始まり。
あんなに契約を、嫌がっていたのに。
抱かれるコトが、辛かったのに。
悲しさを殺して、演技に必死だったのに。
離れたキョリが、苦しかったのに。
もう…、それすら味わうコトが無くなる――
私が頑張って、必死になればなるほど。
訪れる別れを、必至なモノにさせていた。
『イラナイ』と言われる、タイムリミットの。
カウントダウンが、始まっていたのに――
「…っく・・ひっ・・」
人生そのものが、彼で埋め尽くされているのに。
彼の姿を追って、一緒に生きてきたのに。
過去と未来も、すべてが消え失せちゃった・・・
お願い拓海・・・私を、捨てないで――