続きは、社長室で。
“お前は変わらない”
社長の言葉は、私の予想通りで。
これまでと変わらない、意味であって。
目前の道を、寸断されただけ――
「…っ、・・・っ――」
社長のコマ使いで、良かったハズなのに。
どうして私は、希望を持ったのかな?
抱くトキの優しさに、縋ったのかな?
このキモチは、初めからムダだったのに。
パンドラの箱ごと、捨てなきゃダメなのに・・・
そのまま、家へ帰れる状態ではなくて。
閑静な高級住宅街を、泣きながら歩いていた。
此処は名前を出すと、誰もが分かる地区。
東条家との関係を作った、この地が憎くなる。
佐々木として生まれた、自分が悔しい。
社長と出会った人生が、もうイヤで仕方ない。
陳腐な考えばかりが、浮かんでは消えていく――