ミリオンハート



『ねぇ、サード・・・』



ベーシャの門の前で
私はサードを呼び止めた。





静かに振り向くサード。



『ん?なに?』





私、何で呼び止めたんだろ。





『う、ううんっ!何でも無いっ』




サードは一瞬、不思議そうな顔をしたけど、


『そっか。』



って言って、門番に開けてもらうように
申請書を書いていた。





あまりにも、虚しい会話。





ベーシャとクシャトリアの『壁』があるせいで
兄妹の仲も、離れていく感覚がする。





それが、一番もどかしかった。











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