ミリオンハート
そして、足を進めていくと・・・
『おい。』
聞き覚えのある声をクシャトリアの前で低く耳をかすめる。
『グラッセ・・・』
グラッセは少し不思議そうな表情で私を見た。
当たり前だ。
つい、昨日までバラモンの追っ手に追われ、戦い合った
その中の一人なのだから。
しかも、魔力を弱め倒れたのは私だけ。
『どこに行くんだ。』
『ちょっと。そこまで・・・』
だが、グラッセの表情は私を疑う目で見つめていた。