恋桜
つぼみ
なぁ覚えるかな?
あの時僕等が出会わなかったら、こんなにも傷つかずに済んだのかな?
5年前
境 武 13歳
このさびえたマンションに越して来た俺は、
いわば転勤族だった。
もううんざりだった。
だから、友達とか作る気も全然なかった。
どうせすぐ転校だし、
こんな家早く出てってやりたかった。
少し気晴らしに、散歩でもするか。こんな町どうせもうすぐでてくしどうせなら珍しい物でもねぇのかよ。そう思いながら歩いてた俺はいつのまにか桜の木の前にいたんだ。
桜か、、、、、
そういえば母が言ってたっけ桜の木がどうとかって。そこは丘の上でベンチがぽつんとあって町全体がみれるようになってた。そんな丘の真ん中に桜の木がたっていた。俺はベンチに座って町を眺めていた。静まりかえった丘には俺一人しかいなくて木が風が通ったことを教えるようにざわざわと鳴いているようだった。ベンチは冷たく気持ちが良かった。こんな穏やかな気持ちになったのは初めてだった。同時に自分が老けたみたいだった。その時君の声がきこえたんだ。
「こっちだって」誰かくるしかも二人ぐらいいる。俺はとっさに隠れた。桜は俺一人をかくせるぐらい大きかった。
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