キミヲモイ。
「だぁー! 疲れた……もうあかんわ」
「そんな、ちょっと歩いただけじゃん」
「うっさいわ。結構労力使うんじゃ。こんな重いもん持って」
家のドアが開くと、修二は真っ先に台所のテーブルに皿を置いた。
その隣に修二は倒れ込む。
「ヘタレ……」
「はぁ!? そんなん平気で持って来れるお前がおかしいんじゃ!」
ボソッと呟いた僕を、修二は睨み叫び始める。
確かに皿は普通のより大きめだけど、こんなことで疲れる修二のほうが絶対おかしい。
「……うるさいよ」
僕もテーブルに皿を置いて、2階の自分の部屋に行こうと階段に足をかけた。
「何〜? ちょっと気にしてん?」
修二はニヤニヤしながら、茶化したように階段に寄ってくる。
――自分で言ったくせに。
僕は無視して、わざとドンドン音を立てながら階段を上った。