キミヲモイ。
largo
「みんな可愛いねー」
ゆるく独り言を発したのは僕だった。
修二が自分ん家に帰ると、僕は部屋の中で蛍光灯もつけずに座っていた。
修二が閉めたドアの、パタンという音が妙に耳に残る。
そんな僕は、いつも捨てていたはずの女性雑誌をパラパラとめくっていた。
長い綺麗な髪をクルクル巻いていて、女の子らしい服に身を包み。
それとは反対に、黒いシャンとした格好いい服を着てる人もいたけど、ちゃんとした女の子だった。
自分が余計滑稽に思えてくる。
同じ人種なのに、違い過ぎだろ。
大きなため息をついて、またページをめくる。
そこには男が、女の人と並んで立っていた。
――正直、修二が載っていても不思議じゃなかった。
背は高いほうだし、細身。
いつもゆるゆるでヘラヘラ笑っているけど、キリッとしてれば格好いいのに。
そんなこと思ってる自分が気持ち悪くなってきた。