キミヲモイ。
「あ……」
隣のページには、Azuのアップが載っていた。
綺麗な金髪が光っていて、儚げな表情に引き込まれる。
確かAzuは別の雑誌のモデルのはず。
ページの下半分に並ぶ文字の羅列から、インタビュー記事だと理解した。
<編集者「好みのタイプはどんな人ですか?」
Azu「女の子らしい人ですかね。笑顔の似合う人が好きです」>
よくある質問、よくある答えだ。
なのに僕は、自分でもわからないショックを受けていた。
合わないのはわかってるし、もしタイプの人物だったとしてもどうにもならないことは知っている。
だけど背中を蹴られたみたいに、ドクドク心臓が波打つ。
雑誌のページを開いたまま、後ろのベットにそのまま倒れ込む。
天井には僕に似合わない、うさぎや羊などの動物の絵のポスターが貼ってある。
昔はああいうのが大好きだった。